makeの機能
make の使い方をマスターするには、辞書に載っている「作る」などの意味を理解するだけでなく、その機能を理解することが近道です。
make の典型的な機能は次の文章によく表れています。
Oh God! If you cannot make me thin, make my friends fat!(神様、もしも私をスリムにできないなら、友だちみんなを太らせてください)
この文章の make の機能は、You(=God)make me thin.(主語+make+目的語+補語)、つまり目的語の me を thin(やせた状態)にすることです。
make を「作る」と覚えると、make の機能がわかりにくくなります。make のもともとの意味は、「何らかの材料からある物を作り上げる」ことです。
make の最大の特徴は「無の状態から何かを作り出す、材料から完成品を作る、ある性質のものを別の性質に変える」ことを表す機能を持っていることです。このイメージを把握してください。
You make me thin. の場合、今の私は thin の状態ではありません。たぶん fat なのでしょう。体型を fat の状態から thin の状態に変えるので、make を使います。この場合、have や get は使えません。
次の例でこのことをみてみましょう。3つの文の違いがわかりますか。
I have a reservation.(予約があるという状態を保っている)
I've got a reservation.(私か、またはだれかが、予約をした。その予約の権利を私が手に入れた)
I made a reservation.(予約がない状態から、手続きをして予約がある状態にした)
have の場合は「予約をしたあとに、その予約の権利を保持していること」を表しています。get の場合は「自分かあるいはだれかが予約をした(状態を変えた)結果、今は私が予約を手にしたこと」を表しています。
「無」の状態から「有」の状態にする機能を持っているのは make だけなので、「予約のない状態から、予約のある状態を作り出す」場合には make を使います。
make には、「だれかが努力して、状態を変える」という意味が含まれています。自然にできてしまうことに make は使えません。
次回は、make の基本的な用法について解説します。
make の典型的な機能は次の文章によく表れています。
Oh God! If you cannot make me thin, make my friends fat!(神様、もしも私をスリムにできないなら、友だちみんなを太らせてください)
この文章の make の機能は、You(=God)make me thin.(主語+make+目的語+補語)、つまり目的語の me を thin(やせた状態)にすることです。
make を「作る」と覚えると、make の機能がわかりにくくなります。make のもともとの意味は、「何らかの材料からある物を作り上げる」ことです。
make の最大の特徴は「無の状態から何かを作り出す、材料から完成品を作る、ある性質のものを別の性質に変える」ことを表す機能を持っていることです。このイメージを把握してください。
You make me thin. の場合、今の私は thin の状態ではありません。たぶん fat なのでしょう。体型を fat の状態から thin の状態に変えるので、make を使います。この場合、have や get は使えません。
次の例でこのことをみてみましょう。3つの文の違いがわかりますか。
I have a reservation.(予約があるという状態を保っている)
I've got a reservation.(私か、またはだれかが、予約をした。その予約の権利を私が手に入れた)
I made a reservation.(予約がない状態から、手続きをして予約がある状態にした)
have の場合は「予約をしたあとに、その予約の権利を保持していること」を表しています。get の場合は「自分かあるいはだれかが予約をした(状態を変えた)結果、今は私が予約を手にしたこと」を表しています。
「無」の状態から「有」の状態にする機能を持っているのは make だけなので、「予約のない状態から、予約のある状態を作り出す」場合には make を使います。
make には、「だれかが努力して、状態を変える」という意味が含まれています。自然にできてしまうことに make は使えません。
次回は、make の基本的な用法について解説します。
第7話 MAKE(その2)
●makeの典型的な用法
make を辞書で調べると、意味がたくさんあってわけがわからなくなると思いますが、大きく分けて「作る」と「する」の2つのグループにまとめることができます。ネイティブ・スピーカーも、実は単純に「作る」と「する」の機能をイメージして make を使っているのです。ネイティブ・スピーカーの発想に近づくことを目標にしましょう。
1. 作る
具体的に目に見える物を「作る」意味です。目に見えないものでも、fortune(財産)や、数字で表せるものは「作る」というイメージに分類されます。この意味は中学校のときから習っているので、詳細は省きます。ただし、from と of の使い分けは復習しておきましょう。
・make wine from grapes(材料の状態が変わる場合)
・a desk made of wood(材料の状態が変わらない場合)
いずれにせよ、重要なのは「だれかが手を加えることにより、物ができあがった(組みあがった、材質が変化した)」ことを表す点です。
2. する
make の目的語に目に見えないものや、抽象的なものを使う場合です。能力や状態の変化(ダイエットして体の状態をスリムに変化させるなど)も「する」に分類します。
「する」の用法は、次の2つに分けられます。この使い方を覚えると、とても英語らしい会話や文章ができます。
(1)主語+make+目的語(動作を表す名詞)
目的語に動作を表す名詞を使うのがコツです。このパターンを覚えると、日本語の「○○する」という表現がたくさんできます。注意する点は、make は努力して何かを作り出したり、状態を変える動作に使うことです。
このパターンの特徴は、習慣的にいつもやっていることではなく、「そのために準備して、1回実行すること」に使う点です。
・I made a reservation.
電話などにより都合を調整して、1回の予約をしたという意味が含まれています。
・I made a big mistake.
手間をかけてやったことが、今回は間違いだったという意味が含まれています。
・I made a decision.
あれこれ考えて、決まっていない状態を決定した状態に変えることを、1回行ったという意味が含まれています。
・I made a speech.
演説の原稿を書くなどの準備をして、1回スピーチをしたという意味が含まれています。このスピーチには努力を要したのです。散歩する場合、He takes a walk. と言いますが、He made a walk. とは言いません。散歩は特別の準備なしにぶらっと出かければよいので、make は使わないのです。
I made a bath.(風呂を沸かした)と言う場合、だれかのために風呂を沸かしたイメージが隠れています。例えば、I made a bath for her last night because she was so tired.(彼女が疲れていたので、昨日は私が風呂を沸かした)と言うことができます。 I took a bath.(風呂に入った)の場合は、「自分が自分のために風呂に入った」といういつもの行為を言っています。 (2)主語+make+目的語+補語 make を使った典型的な文型です。 ・It made her thin.(それが彼女をやせさせた[補語は形容詞]) ・He made her smile.(彼は彼女をほほえませた[補語は動詞の原形]) ・I made her my wife.(私は彼女を自分の妻にした[補語は名詞]) ・The beard made him quite distinguished.(あごひげのせいで、彼はとても立派に見える[補語は動詞の過去分詞形]) It made her thin. の場合、彼女が太っていたか普通の体型だったのを、やせた体型にさせたという意味です。簡単にはいかないですよね。make の背景には相当の努力または大きな影響があったことが隠されています。 He made her smile. も、彼のしぐさが特におかしかったか、彼が何かをした結果、彼女がほほ笑んだのです。この場合、彼女はなかなか笑わない状態にあったことが想定されます。 主語と目的語を工夫すると、状態の変化をこのパターンで、なんでも表現できるようになります。補語には動詞の原形や過去分詞形、形容詞、名詞などが使えるので、表現は無限に広がっていきます。 使役の make も、これと同じ形です。 ・I made him leave the office. (彼をオフィスから追い出した) この場合、「彼」は「私」が何も言わなければオフィスにそのまま残ったと思われます。その状態(彼の気持ち)を変えたので、make を使います。 make を使役で使うときは、人の気持ちを変化させていることが隠されています。多くの場合、「本人の意思に反してやらせる」という意味で使われます。 |
第8話 MAKE(その3)
Q&Aコーナー
今回は、一問一答形式で make の用法を解説します。これを読んで、理解をさらに深めてください。
Q.1 He will make a good teacher.(彼はよい先生になるでしょう)という用法がありますが、この文の構造はどのように理解したらいいのでしょうか? A.1 この文では、現在の彼はよい先生の素質をもっているけれども、現在はよい先生にはなりきっていません。努力をすれば、そして経験を積めば、絶対によい先生になるよ、と言っているのです。つまり make は彼を「普通の人」から「よい先生」に状態を変化させるという機能を表しています。He will make (himself) a good teacher. と解釈すればわかりやすいでしょう。 Q.2 do the best などは、do の代わりに make を使ってもいいのではないかと思いますが、どう使い分けたらいいのでしょうか? A.2 以下の3つの動詞でどれを使ったらいいか、考えてみてください。 ・do the best ・make the best ・take the best do は「任務を行う」、make は「状態を変える」、take は「つかむ」というもともとのイメージがあります。What do you do?(仕事・任務として何をしていますか)というふうに do は「任務を行う」という意味があります。do the best の the best は目的語のようですが、副詞です。 make the best と take the best は間違いです。この場合の the best は形容詞になるため、make the best effort や take the best chance のように目的語が必要となります。 make the best of a bad luck のような言い方がありますが、make は「状態の変化」が機能であることを思い出してください。運の悪い状況にあるけれど、そのなかで何とか最悪の状況は変えたい(make the best of)という意味です。悪い状況のときにだけ使えます。 なぜ make と take の場合は the best が形容詞になるかというと、両方とも他動詞として目的語(名詞)が必要だからです。the best には名詞もありますが、「最もよいもの」という意味で、You are the best.(きみは最高の人だ)などの使い方をします。make him the best と言えるでしょうか。make him the best student in the class というふうに、名詞が必要となります。 Q.3 I make that distance 3 kilometers.(3キロくらいの距離だろう)という用法があります。「見積もる」「算定する」という意味ですが、「作る」「する」では説明しきれない気がします。これはどのように解釈したらよいのでしょうか? A.3 It made her thin.(それが彼女をやせさせた)と同じ用法です。I make that distance 3 kilometers. は「主語+make+目的語+補語」の形で、意味は I think that distance is about 3 kilometers. と同じです。 make の機能は that distance(あの距離。いまは距離がわかっていないので数字で言えない)を 3 kilometers にすることです。I make that distance 3 kilometers. の直訳は「私はあの距離を3キロとした」です。仮に3キロと決めているので、「3キロくらいの距離だろう」は日本語として、うまく訳されていると思います。 「見積もる」「算定する」はこの make の機能を日本語に置き換えた、的確な訳ですが、make を使うときには、日本語訳に惑わされずに、make の「状態を変える」機能に注目してください。それが make の「機能を理解する」ということです。 ネイティブ・スピーカーは、make をその機能でイメージしています。英和辞典のようにたくさんある訳から選んで使うという考え方はありません。中心となる1つか2つの単純な機能で日常会話の作文をしています。ぜひ英作文などで、基本動詞を「機能で考えて使う」練習をしてください。
第9話 MAKE(最終回)
make のイディオムとフレーズはたくさんありますが、ここでは代表的なものを挙げました。ぜひマスターして、会話や文章の表現力をアップしてください。
●makeのイディオムとフレーズ
(1)「する」
make a reservation(予約する)と同じパターンの例文です。make に「状態を変える」という機能があることを確認してください。 1. It would have made a big difference for me if I had married you. make a big difference は「状態を変える」という make の機能をそのまま生かした表現です。 2. I'd like to make an appointment with Mr. Kosugi on Monday. 「約束がない現在の状態から、約束のある状態を作り出したい」という意味です。この場合、make を使っているので、「1回会う約束をする」ということと、「Mr. Kosugi と会う約束をする」ためには、「多少の努力が必要である」ことがわかります。 3. It makes no difference to me whether Jane comes to my birthday party or not. make は「状態を変える」場合に使いますが、no difference(違いがない)と組み合わせると、「違いがない状態に変える」ということになります。要するに「私には何の影響もない」ということです。 4. We've made great progress on improving our corporate image. make great progress (大きな進歩をみせる)という make のお決まりのパターンです。ここで変わったのは、進歩の状況です。 5. Bill made room for an old lady on the bus. スペース(room)がなかった状態から、物をどかしてスペースのある状態にする ことです。場所をあけるためには、よいこらしょと力が必要です。この場合は、自分の体をどけたのです。 6. His argument makes sense but it's difficult to understand. 理屈の合わなかった議論に対して、彼の議論(argument)は理屈(sense)をもたらしたのです。状態が変わっていますね。 7. They have already made a deal with our competitor. make a deal(取引をする)という make のお決まりのパターンです。変わったのは取引の有無です。この取引を成立させるためには、かなりの努力が必要だったはずです。この取引は、今回1回の取引について言っています。 8. I made an attempt to get along with Amy, but I found it impossible. make an attempt(試みる)という make のお決まりのパターンです。この場合も、試みるためには、何かしらの準備が必要だったことがわかります。 9.The buyer made an offer of $100,000 on the house on Baker Street. make an offer という make のお決まりのパターンです。この場合も、offer するためにあれこれ考えたことが背景にあるのです。offer はこの1回です。 10.First of all, I want to make my points in this speech perfectly clear. make my points clear とは「私の主張点を明確にする」ことです。明確でなかったポイントを明確な状態に変えようとしているのです。 11.Becky makes good use of his personal connections for his business. make use of (利用する)という make のお決まりのパターンです。She uses というよりも She makes use of のほうがはるかに表現力があります。この場合、good をつけてさらに表現を豊かにしています。make +「動作を表す名詞」の形で、さまざまな表現を簡単に作ることができます。 |
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